2004年 07月 01日
ソトコトという可能性 ~意外性の男・小黒一三氏~ |
精華大学アセンブリーアワー公開講座
「ソトコトという可能性」
最近、よく耳にする「LOHAS」、LOHASとは Lifestyles of Health and Sustainability (健康で持続可能なライフスタイル)の略で、地球環境保護と人間の健康を最優先し、人類が共存共栄できる持続可能な社会のあり方を望むライフスタイルのこと(ソトコト4月号より)。今やスローでLOHAS的なコト、モノ、がこれからはIN(イケてる)になってくる御様子。その言葉を広めた日本人で雑誌「ソトコト」の編集長をしていらっしゃる小黒一三氏が、京都精華大学にて講演会を行うというので行ってきた。
月刊「ソトコト」は、。アフリカの言葉で「木の下」という意味をもつ環境ファッションマガジン。環境系=ダサい、もっさい、堅苦しい、という一般的に思われているイメージを払拭するスタイリッシュなエコマガジンなのだ。それを作った小黒氏その人に興味を持ち、彼がどんな人なのか、これは話を聞いて見なければ、と思い立ったのである。
今日の講演会の内容は、
・雑誌の説明
・加藤さんというミュージシャンの音楽を聴く
・アフリカのスライド映像
・ケニアに作った小黒さんのHOTELとアフリカの話
・質疑応答
彼の考え方の反映されたトークであった。
小黒氏、54歳。うちの母と同じ年である。このオッサンがどうやってエコをスタイリッシュにしむけたのか・・・。それは彼の持つ意外性の力であると思った。
話を聞いていて感じた、それはこの人が全ての物事を違った角度から見ているという事だ。レールの上は通らないタイプだ。「人と違うことをすることが楽しい」「何があっても結果を受け入れ、ハプニングでさえ楽しむ」という言葉に人を引っ張っていける強さのようなものを見た。それがきっと先駆者の持つ力なのだろう。
「ソトコトは人に考えさせる、人に合わせないタイプの雑誌だから、見たくない人は買わなくていいよ、ぐらいの気持ちでやってたら、なんとかなっていた」のだそう。この潔さが人をひきつけるのかもしれない。人は何かをする時、人にやってもらうよりも、自分で考えて答えを出す方が印象に残るものである。環境問題も官僚がうんぬん言っても、自分が出来る範囲から自分で考えて行うのが楽でいいのである、行為は自発的なものであって、義務になり「やらされてる感」が漂うと一瞬にしてモチベーションが下がるのだ、と私は思う・・・。
このオッサンは自分の愉しみ方を知っている。それに賛同する人が集まりBOOMになっていくのだ。
アングロサクソン(白人)社会の現代、彼は白人がそないすごいのか?と問う。
彼は黒人との違いをあげ、黒人の方がすごいもんを持ってると思うと言う。BLACK MUSIC・SPORTS・・・いろいろあるが、黒人の持っているエネルギーに惹かれるものがあるのだという。そして、アフリカの自然が好きで大気を感じたいからとアフリカにHOTELまで建てた。 今、ソトコトを定期購読し、購読者が2000人になるとアフリカに小学校が誕生するという「学校を建てよう」プロジェクトをやっている。毎月ソトコトの初めの方のページには、アフリカ在住フランス人パイロット兼カメラマンの空から撮ったアフリカの写真と記事が掲載されている。彼とアフリカは切っても切れない縁のようだ
アフリカのスライドを見ながらまつわるエピソードを聞く。サバンナの動物、緑、夕焼け、マサイ族の男達、お嫁に行く前の14歳の女の子・・・・。中でも印象的であったのは、エコツアーでバンに乗った旅行者達が車から動物にカメラを向けている写真で、車の前にはチーターがバンの旅行者をじっと見据えているという写真。人間が動物を見ているというよりも、実は人間の方が動物に見られている、というような皮肉な感じの写真にも思える。
アフリカは彼の言うLOHASの理想郷なのかもしれない。
ネットの情報なんてみんな知っている情報である、新しい情報をいかにして発信するのか・・・それは自分の頭で考えるしかないのだと。これはアフリカにいて悟ったそうだ。
これは私も同感である。インドのような何もないところにいてわかったこと、それは、クリエイティブな発想は何もないからこそ沸いてくるイマジネーションの力(知恵)なのだ。これも情報をいくら検索したって出てこない、自分で考えるしかないのだ。
彼はシステムにどっぷりつかった固いオッサンではなく、どこか人間臭さを感じる下町系世話焼きのオヤジに近いと思った。環境ボランティアやNPOの裏側は、実は大手ボランティア団体の上層部は政治家や大企業と同じで現場とは違うことをチラッと教えてくれたり、非営利団体やその他諸々を盲目的に素晴らしいと信じこまないようにと学生達に渇を(?)入れていた。なぜなら、小黒のオッサンが言うには、「働いた分に対して報酬を与える(自分にも、他人にも)ことは礼儀であり、そうしないといろんな意味で続いていかないよ」とのこと。常に人に感謝する気持ちを持つことが大切であり、それにはまず自分が幸せでないと出来ないことで、先に自分が幸せになることは全然悪いことではないんだよ、と説いていた(これとセルフィッシュなことは違うことなのである)。なぜなら、全てはつながっているからなのだ。私もあなたも・・・。私が幸せであるならあなたも幸せにすることができるだろう、そしてぐるぐる回って地球全体を幸せにすることができるだろう、それがまた自分を幸せにすることにつながるのだ。そして、「自分がすることをおそれず、どんどん動いて行きなさい」というメッセージを伝えてくれた。これぞLOHASなのである。
ええこと教えてもらいました。
by mandalasoap
| 2004-07-01 20:47
| LOHASと暮らし